タイ語に於ける“ล”の発音も同様のようだ。
“ล”の発音は、英語の”L”と同じと思われているので、多くの学習者は、英語の”L”の発音に関する情報で勉強することになる。
しかし、ここでは、英語の”L”とタイ語の“ล”は、イコールでないという事を前提に、純粋に“ล”の発音方法を述べます。
“ล”の発音を具体的に説明した情報は、皆無であろう。
タイ人が正しく発音するための情報を調査してみたが、見つからなかった。タイ人に取っては、成長の過程で母国語として、感覚的に覚えるので、必要ないのだろう。
最近、偶然に、タイ人の英語の発音を修正するための「タイ語と英語の発音の違い」を論理的に説明してあるタイ語のサイト中で“ล”の発音に関しする記述を見つけた。「ลิ้นจะอยู่ที่เพดานข้างหลังฟัน แต่จะไม่โดนฟัน วิธีเปล่งเสียง ต้องฉีกยิ้มไว้เสมอ มิฉะนั้นเสียงจะไม่ออก คือยิ้มสู้ก่อนพูดว่างั้นเถอะ แล้วเอาปลายลิ้นแตะด้านหลังฟันหน้าบริเวณโคนฟันและเเหงือก แล้วดีดลิ้นลงก่อนออกเสียงสระ ถ้าเอาลิ้นแตะ ค้างไว้ เสียงจะไม่ออก」
訳すと、
「舌を歯の後ろ側に置く。しかし、歯には突き当てない。発音方法は、微笑みを取り去らなければならない。さもなければ、音は出ない。即ち、微笑んでから発音する。歯の付け根と歯茎辺りに触れさせてから、舌を弾きおろし母音を発音する。もし、舌が触れたままであれば、音を発生しない。」
更にこの学者(?)は、英語の”L"は、長めの呼気の音であるが、タイ語の"ล"は、「そうではない」と明記している。「英語は、微笑みを長く続けるが、タイ語は、微笑みを続けない」とも言っている。
この説明内容は、私の独学で会得した理論/発音方法と完全に一致する。
しかし、今ひとつ分かりにくいので、私の見解を入れて、以下に、より具体的に説明します。
1.舌の前面を上歯の後と歯茎の境目辺りにベッタリと付ける。舌先が多少歯に触れても問題ない。
2.その状態で微笑む。(口角を横に引く)
微笑む理由を説明すると、1.の状態では、口腔が閉鎖されていて、舌の両サイドと上顎間の隙間はない。微笑む/口角を横に引くと、後舌が少し上に持ち上がり、舌が細められ、舌の両サイドと上顎間に隙間ができる。微笑み具合は、発音時のタイ人の表情/口角を観察すれば、容易にわかる。
この感覚がわからない場合は、まず、1.の状態で、水を少し口に含む。顔は正面を向く。この状態では、口に含んだ水は、口腔が舌と上顎で完全に閉鎖されているので、閉じた口腔から水は溢れない。
次に、その状態で微笑んで見る。そうすると、舌の両サイドと上顎間に隙間ができ、その隙間から水が溢れ、口から溢れ落ちるだろう。
尚、この確認は、衣服が濡れるので、入浴時に行って下さい。
英語の”L”の発音説明の極端な例では、舌先を上下の歯で軽く噛むような指導をしているものが有るが、これも、舌の両サイトと上顎の隙間を作る方法である。私は、この方法は、実用的でなく、タイ語の発音に適さないので勧めない。
3.微笑み/口角を横に引いた状態から、次に続く母音の口の形に移行しようとすると、必然的に舌が引き剥がれる。そのときに発生する音が、タイ語の“ล”の音。決して、舌の両サイドと歯茎の隙間を有声音を長めに通す音ではない。
参考として、 日本語の「ら行」の発音方法/音の聞こえ方と比較してみます。
「ら行」は、「だ行」とほぼ同じ舌の位置で発音します。違いは、「だ行」は、舌で口腔を閉鎖し、有声音で閉鎖を破裂させるのに対し。「ら行」は、舌で口腔を閉鎖させずに、舌先で軽く弾きます。
”ล”は、母音への移行のプロセスの中で発音。つまり、口の筋肉の動きで発生させるので、「ら行」の音に対しては、音の長さが長く感じます。長く発音するのではなく、結果的なもの。
正しい発音方法を理解すると、タイ人の発する音と感覚的にも一致するので、聞き分けも出来るでしょう。
英語の"L"の発音をある程度理解している事が前提ですが、“ล”の発音メカニズムを正しく理解してしまえば、それほど難しくない。
正しく発音できない人は、以下のような状況にあるようだ。
1.舌の両サイドと上顎間の隙間を開ける方法/感覚が分かっていない。
2.極端に継続的に長く続く音と誤解している。それで、闇雲に、前舌を上顎に押し付け続けている。
3.タイ人の発音する音と自分の発音する音の違い/ズレを感じ、悩みながら発音している。
>>次回は、บอล(ball)等の語尾の“ล”の発音を説明します。
“ล”の発音について(音節の語尾に付く場合)
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